地域の選択と全国レベルのデータ

地域の選択

地域を選択する際のガイダンスは次のとおりです。

  • 最初に、KPI の合計が最も少ない地域を除外します。小規模な地域は費用対効果への貢献度が低くなりますが、特にすべてのグループに単一の残差分散(ModelSpecunique_sigma_for_each_geo = False)がある場合は、モデルの適合度に大きく影響する可能性があります。

  • 米国の広告主様が指定マーケット エリア(DMA)を地域単位として使用している場合、おおまかなガイドラインとして、人口上位 50~100 の DMA をモデル化することをおすすめします。通常、これには KPI ユニットの大部分が含まれますが、モデルの適合度と収束に影響する可能性があるノイズの多い小規模な DMA のほとんどは除外されます。

  • 各地域に残差分散(ModelSpecunique_sigma_for_each_geo = True)がある場合、ノイズの多い地域はモデルの適合度に与える影響が少なくなります。ただし、この方法を使用するとモデルの柔軟性が大幅に増加するため、一部のデータセットでは収束が難しくなる可能性があります。この方法で MCMC サンプリングが収束する場合は、地域の人口規模と平均残差標準偏差(sigma パラメータ)をプロットすることをおすすめします。ほとんどの場合、かなり単調なパターンになります。そうしたパターンになっていない場合は、unique_sigma_for_each_geo = False を設定して、地域のより小さなサブセットを使用することをおすすめします。

モデルで KPI 単位の 100% を表現するには、小さい地域を大きな地域に統合することもできます。ただし、この方法にはいくつかの注意点があります。

  • 地域レベルのモデリングには大きなメリットがあり、そのメリットは、地理的に分離されたパターン群のユニットの数に比例して増していきます。詳細については、全国レベルと地域レベルのモデリングをご確認ください。

  • 地域の集計グループ化方法が異なると、MMM の結果も変わる場合があります。

  • インプレッション数や費用などのメディア マーケティング変数は、通常、地域全体で合算できます。ただし、気温などのコントロール変数は、集計が簡単ではない場合があります。

地域レベルのモデルにおける全国レベルのメディア

ほとんどのメディアが地域レベルで利用できるものの、全国レベルでしか利用できないメディアが 1 つか 2 つ場合は、全国レベルのメディアを地域レベルで代入し、地域モデルを実行することをおすすめします。簡単な代入方法の 1 つは、地域の人口が全人口に占める割合を基に、地域レベルのメディア変数を全国レベルの値から近似値を求める方法です。代入が不要になるように、正確な地域レベルのデータを用意することが望ましいですが、代入でもモデル パラメータに関する有用な情報を得ることができます。詳細については、地域レベルの階層ベイズのメディア ミックス モデリングの 4.4 をご確認ください。